• 歯ぎしりも噛み合わせの悪さが一因

    歯ぎしり

    歯ぎしりも、噛み合わせが悪いことが原因になると言われています。上下の歯を噛み合わせたまま横に動かすことで、ギシギシと音がします。

    噛み合わせの良い歯だと、噛んだときに上下の歯すべてが同時に接触し、がっちりと噛み合うため、横に多少動かしたところで音はしません。一方、噛み合わせが悪い場合は、どこかの歯だけが先に当たってしまい、そのアンバランスな状態を正そうとして歯をこすり合わせます。無意識のうちに高い歯を削って、噛み合わせの調整をしようとしてしまうのです。

    根の長い前歯・犬歯以外の歯は横揺れに弱く、強い歯ぎしりが歯に与えるダメージはかなりなものになります。エナメル質が傷ついたり、削れてしまったり、詰め物や被せ物にヒビが入ったり、割れたりもします。歯ぎしりのせいで、朝起きた時に歯が痛いという方もいらっしゃいます。

    また、歯ぎしりの最大の原因はストレスと言われています。不安やイライラなどのネガティブな感情を、眠っている間の歯ぎしりで解消しようとするのでしょう。
    ストレスを抱えている上に、噛み合わせが悪いとなると、歯ぎしりによる歯への負荷は倍増します。歯ぎしり癖による歯へのダメージから歯を守るためには、ストレスケアと噛み合わせの調整の両方が必要ということです。

    マウスピース

    ちなみに歯科医院では、歯ぎしりに対し、主にマウスピースを使った治療を行います。型をとって作った自分専用のマウスピースを寝るときに装着し、歯ぎしりの強い力から歯や顎を保護するものです。マウスピースをつけていれば、睡眠中に歯ぎしりをしても、歯がすり減ったり、削れたりすることはありません。

  • インプラントの治療期間や通院回数を教えてください

    症例によって異なりますが、通常3か月~1年程度です。

    インプラント治療は、埋入したインプラント体が骨に結合するまでの安定期間を置くため、ある程度の期間がかかるのです。
    インプラント体の結合期間は、2~6か月です。これに術前処置や、上部構造(人工歯)の作製期間を加えると、3~7か月の治療期間になる計算です。

    インプラント

    通院回数も、1回法か2回法か、オール・オン4のようなワンデイインプラントかなどによって異なってきます。
    ただし、どの手術でも事前の検査や治療計画の確認などで1~2回通院していただき、手術後1~2週間後には傷口の洗浄及び抜糸のために1回、インプラントと骨が結合したあとは人工歯の印象と装着のために2~3回程度の通院が必要になります。

  • 噛み合わせの悪さから不定愁訴や病気に

    噛み合わせ

    残っている歯の数が少ないほど、認知症が進行しやすい理由として、歯が足りないことによる噛み合わせの悪さを報告するデータがあります。

    東北大学大学院歯学科の渡邉誠教授のグループが、70歳以上の高齢者195名の脳をMRIで撮影したところ、歯の噛み合わせが悪く、上下の歯が接する場所が少ないほど、記憶に密接に関係する脳の部位や、計算や思考、空間認識などの高次機能と関係する領域の容積が明らかに減少していることが確認されました。つまり、噛み合わせが悪いと、記憶に関する部分の脳がしっかり働かなくなるというのです。

    噛み合わせの悪さによって体にトラブルが引き起こされるのは、脳だけではありません。
    頭痛や肩こりもそうです。例えば、左右どちらかの奥歯が抜けたままになっていると、噛むときに左右のバランスが崩れます。その状態を放置したまま食事を続けていると、歯が抜けている側とは反対の肩や背中にこりが引き起こります。

    それは、噛み合わせのバランスが悪いことで、体の中心軸を保つ働きをもつ顎関節がずれて、重い頭を支える頭頸部の筋肉を不自然に引っ張り、緊張させるからです。

    また、咀嚼筋の動きにもアンバランスが生じ、それによって、首の筋肉が緊張してしまい、肩や首、背中のこりなどの症状が現れやすくなります。肩の筋肉が硬いと、腰の筋肉も引っ張られるため、腰痛になる人もいます。そのほか、頭痛、不安、落ち込み、イライラなど、なんとなく体調がすぐれない不定愁訴も、歯の噛み合わせの悪さが原因になっている可能性があります。

    歯は噛むことができさえすれば良い、噛み合わせの悪さなんて大した問題ではない、と思っている人は多いかもしれませんが、それは正しくありません。ごくわずかな歯のずれでも、全身の関節、筋肉、リンパ系、体液系に影響を与え、心身にさまざまな症状をもたらすのです。

    実際に、噛み合わせを調整しただけで、不定愁訴が解消したというケースは珍しくありません。噛み合わせが良くなると、顔や姿勢の歪みも解消されます。左右のバランスが整うため、体の中心に重心がくるようになります。重い頭も重心線上に乗るため、体からは無用な緊張が解け、こりも解消されるといった良い連鎖が起こるのです。

    歯が1本抜けただけでも、噛み合わせのバランスが崩れます。放置していると、抜けた隣の歯が傾いてきたり、そのうち対合する歯が伸びてきて歯根がむき出しになってしまいます。結果として咀嚼能力の低下、歯周病、顎関節症などの原因にもなります。
    歯が数本抜けた状態を放置していると、前歯にも影響が及びます。

  • インプラント治療は高いという印象があって、
なかなか踏み切れないのですが…

    長い目で見ると、実はそれほど高いものではありません

    インプラント治療は自由診療のため、健康保険が適用する治療よりも高額にはなります。 ただし、長い目で見ると、実はそれほど高いものではありません。

    インプラント患者の9割以上が、10年以上使い続けているというデータがあり、それだけ寿命が長いということになります。インプラントより低額で治療できるブリッジや入れ歯の寿命はインプラントほど長くありません。しかもインプラントは、失くした歯のみの治療になりますが、ブリッジや入れ歯の場合は、残っている周囲の歯にも影響を及ぼします。つまり、1本抜けても、1本の治療ではすまないということです。

    オールオン4

    さらに、インプラントは、1本の歯に対して1本のインプラント体が必要なわけではありません。むしろ、インプラント体の埋入は少ないほどよく、ほとんどの歯を失った総入れ歯対象の状態でも、オール・オン4など、使うインプラント体をなるべく少なくすることで、費用も抑えることができます。

  • 歯が抜けている人は認知症になりやすい

    認知症

    高齢化社会が加速度的に進み、認知症患者数が増え続ける日本。その数は、約462万人にも及ぶとされています。さらに、その前段階の「軽度認知障害」をもつ人は約900万人、高齢者の4人に1人が認知症、あるいは軽度認知障害と推計されます。

    認知症とは、何らかの原因で脳細胞が損傷を受けて変性し、記憶力や判断力が日常生活に支障が起こるほど低下した状態を言います。
    脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など、いくつか種類がありますが、社会の高齢化に伴い顕著に増えているのがアルツハイマー型認知症で認知症全体の5~7割を占めています。脳の神経細胞に異常たんぱく質が蓄積して変性し、脳の一部が萎縮していく過程で発症します。情報の伝達機能が低下して、物忘れが徐々にひどくなる症状が多くあります。次いで多い脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によるものです。脳の細胞に血液が十分に行き渡らなくなり、細胞が死んでいくために症状が進行します。
    認知症と歯の健康状態に関して、興味深い研究データがあります。

    「愛知老年学的研究プロジェクト」において、65歳以上の健常者4000人以上を4年にわたって調べたところ、歯がほとんどなく、入れ歯を使用していない人は、歯が20本以上ある人よりも、認知症発症リスクが1.9倍高いことがわかったのです。
    また、名古屋大学大学院医学系研究科の上田実教授がある老人施設で実施した調査では、アルツハイマー型認知症の高齢者の歯の数の平均は、健康な人の3分の1しかなかったことが判明しました。しかも、アルツハイマー型認知症の高齢者は、歯の喪失本数が多いほど、脳の萎縮度が高いということが画像診断でも明らかになっています。つまり、残っている歯の本数が少ないほど、脳の萎縮が進行しやすいということになります。何らかの原因で歯が失われ、治療せずに放置していると、アルツハイマー型認知症の発症リスクは健康な高齢者の3倍になる、と上田教授は結論づけています。裏を返せば、健康な歯を保てている人は、認知症になりにくいと言えるでしょう。失った歯があるなら、きちんと補う治療をすることが、認知症の予防につながります。

  • 噛むことで脳がフル回転

    脳

    歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜は、痛覚や温冷覚、触覚などの情報を感知して、脳に伝える役割を担っています。歯根膜を脳とつないでいる代表的な神経が三叉神経です。脳幹から出ている三叉神経は、眼神経(第1枝)、上顎神経(第2枝)、下顎神経(第3枝)の3枝に分かれ、主に知覚を支配しています。歯や歯根膜でキャッチした知覚情報が三叉神経を通じて脳に伝えられると、脳はその情報をもとに咀嚼筋や顎関節を動かします。

    歯根膜には、歯根膜受容体というセンサーが多く分布しており、歯を動かすと、その刺激で即座にセンサーが働きます。
    つまり食事をすると、食物の温度や味、舌触り、歯ごたえなど、歯根膜がキャッチした情報が、大脳皮質や脳幹に伝わります。例えば、硬いものを食べると、その圧力を歯が感じて、脳が反応し、唾液が大量に出ます。酸っぱいものを食べても同様の働きをします。

    そういった歯や歯根膜からの刺激は、情報や本能、短期の記憶などを司る大脳辺縁系や、生命活動の維持に関わる視床下部に伝達されます。そのため食事をすると、脳に大量の情報が伝わり、それを処理するために脳はフル回転するのです。また、噛むという行為も、顔や頭の筋肉を動かすポンプの役割をするため、脳に大量の血液を供給し、活性化させます。

    もし歯が抜けてしっかり噛めなくなると、このような脳への刺激は激減してしまいます。
    すべての臓器の中で、最もエネルギー消費量が多いのは脳です。脳を活発に動かすためには、食事によってしっかりとエネルギーを補給する必要があります。さらに、その際によく噛むことも、脳の活性化を助けることは言うまでもありません。

  • インプラント治療は痛かったり、 腫れたりしませんか?

    インプラント

    インプラント手術自体は、麻酔をして行うので痛みの心配はありませんが、骨を大きく造った場合は腫れます。インプラント治療は局所麻酔で十分に麻酔効果が発揮され、術中の痛みは感じません。
    しかし、局所麻酔の場合、意識がはっきりと保たれているため、ストレスや不安が強いと血圧や呼吸に影響を与え、体にも負担になってしまいます。

    そのような方には、うとうとと、まるで眠っているようにリラックスできる「静脈内鎮静法」を提案することもあります。

    静脈内鎮静法

    術後は、痛み止めを出しますので、痛む場合は飲んでいただくようにします。痛みの感じ方には個人差があって、痛み止めを飲む方は10人中2~3人程です。
    一方、腫れについては、特に大きな骨造成を行った場合に出るケースが多いです。痛み止めと一緒に処方される抗生剤を、1週間飲んでいただきます。腫れのピークは2~4日目くらいで、そのあとは徐々に治っていきます。

  • 人はよく噛むことで元気になれる

    よく噛む

    歯を食いしばる、奥歯を噛みしめるという言葉があるように、人は最大の力を発揮しようとするときに、歯に力を込めます。例えば、重い物を持ち上げようとするとき、無意識のうちに奥歯を噛み締めているのではないでしょうか。つまり、パワーを発揮する場合は、歯が基点となっていると言えます。
    もし、どこかの歯が痛かったり、抜けていたりすると、しっかり噛めなくなってしまいます。奥歯を噛みしめることもできないので、踏ん張りがききません。力が入らないと、何事にもやる気が失せて、体調も今ひとつ優れない状態になることがあります。
    さらに、しっかり噛めなくなると、体のエネルギー源である食べ物の消化・吸収にも悪影響が及びます。まず硬い物や、いわゆる噛みごたえのある物は食べられません。食べたとしても、しっかりすり潰すことができず、唾液とも十分に絡ませられないため、消化しにくく、胃腸に負担がかかってしまいます。

    食事

    日本歯科医師会では、ひと口につき30回以上噛むことが推奨されています。その理由のひとつは、咀嚼回数が多いほど唾液を大量に分泌できるということです。
    唾液の中には、炭水化物を分解するアミラーゼという酵素が含まれています。このアミラーゼは、よく噛んで、唾液がたくさん出ることでその機能を果たし、胃での消化をサポートします。しっかり噛まず、唾液があまり出ていないと、アミラーゼの働きは不十分になってしまい、胃ですべてを消化し切れないため、その先の十二指腸や小腸に消化の負担がかかってしまいます。そうすると、良質な血液やホルモンを作り出すという、小腸の本来の働きがおろそかになって、体にさまざまな不調が現れます。余談ですが、日本人の腸には昔ながらの製法で作られた発酵食品(納豆や味噌)が合っています。逆にチーズなどの西欧発酵食品は日本人の腸には合わないと言われています。

    アミラーゼ以外にも、唾液の中には、抗酸化や免疫作用をもつ、リゾチーム、ラクトフェリン、体を活性化する成長ホルモンなど、健康を支える成分が豊富に含まれています。よく噛む行為は、こういった成分の働きを最大限に引き出すための第一歩です。
    また、食べ物をよく噛まず、早食いになってしまうと、信号が満腹中枢に到達する前にたくさん食べてしまい、肥満や高血圧の原因にもなります。反対に、ゆっくりよく噛んで食べると、少量でも満足感を得られ、食べすぎを防ぐことができます。
    よく噛める歯を保つことは、全身の健康維持に欠かせない条件なのです。

  • インプラントは一生もちますか?

    インプラント

    インプラントは、一生もつとは言えません。
    インプラント治療によって、失った歯が再生したという風に考えてください。失う前の天然歯と同じで、きちんとクリーニングをしなければ、また歯周病(インプラント周囲炎)になってインプラント体もろとも抜け落ちてしまいます。

    逆に、毎日しっかりケアして、メインテナンスができていれば、長持ちします。
    何しろ口の中には、もともと歯を失った原因の細菌がたくさんいます。メインテナンスが行き届かないと、再感染を起こしかねません。
    天然歯は、セメント質、歯根膜にガードされていますが、インプラントの場合はインプラント体と歯槽骨のみ。栄養を運んでくれる血管も少なく、炎症に対する抵抗力が低くなります。
    毎日の歯磨きを徹底して行うだけでなく、3ヶ月~6ヶ月に1度程度は、定期検診やプロによるクリーニングを受けることが大切です。

    また、歯ぎしりや食いしばりの癖があるなど、噛む力が強い方は、インプラントが折れてしまう危険性もあります。その場合は、マウスピースを使うなどして予防するようにしましょう。

    さらに、喫煙、糖尿病や、噛み合わせの不具合などもインプラント周囲炎の要因になります。ご自身の健康維持にも気を配っていただく必要があります。

  • 歯周病が全身疾患のリスクファクターに

    歯周病にかかった口腔内は、常に炎症が続いている状態です。その際、炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から体内に入り、全身を巡って、さまざまな病気の引き金や、悪化させる原因になることがわかってきています。
    1989年、フィンランドのK・マイラ博士が、「歯周病と急性心筋梗塞の関係」について研究した論文を発表しました。心筋梗塞に既往歴のある患者と、同じ地域に住む既往歴のない人に歯科検診を行った結果、心筋梗塞の罹患者は、そうでない人よりも3割ほど多く歯周病を患っていたというものです。

    歯周病と全身疾患

    歯周病菌が血流に乗って全身を巡ると、血管にダメージを与え、プラークを形成して血液の通り道を狭めます。また、プラークが剥がれて血の塊ができると、血管を詰まらせることもあります。つまり、歯周病菌が動脈硬化の一因になる可能性があるということです。心筋梗塞は、動脈硬化により血管が狭くなったり、塞がったりして、心筋への血液供給がうまくいかなくなる病気です。
     
    マイラ博士の研究は、歯周病菌が動脈硬化、ひいては心筋梗塞を誘発することを、数値的に実証したわけです。その後、心臓の動脈疾患で亡くなった患者の頸動脈から歯周病菌が発見されたという報告もあります。
    もちろん、歯周病菌が血管にダメージを与えるのは、心臓に限ったことではありません。脳の血管で歯周病菌を含むプラークが詰まれば、脳梗塞につながります。実際、歯周病の人は、そうでない人の2.8倍も脳梗塞になりやすいとされています。
    また、大動脈瘤の患者の血管サンプルから、歯周病菌のひとつであるポルフィロモナス・ジンジバリスが高い確率で発見されたという、衝撃的な研究報告もあります。歯周病菌が一旦、血管に入り込むと、口から遠く離れたあらゆる臓器に広がって、悪さをするリスクがあるのです。

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