• インプラント治療は痛かったり、 腫れたりしませんか?

    インプラント

    インプラント手術自体は、麻酔をして行うので痛みの心配はありませんが、骨を大きく造った場合は腫れます。インプラント治療は局所麻酔で十分に麻酔効果が発揮され、術中の痛みは感じません。
    しかし、局所麻酔の場合、意識がはっきりと保たれているため、ストレスや不安が強いと血圧や呼吸に影響を与え、体にも負担になってしまいます。

    そのような方には、うとうとと、まるで眠っているようにリラックスできる「静脈内鎮静法」を提案することもあります。

    静脈内鎮静法

    術後は、痛み止めを出しますので、痛む場合は飲んでいただくようにします。痛みの感じ方には個人差があって、痛み止めを飲む方は10人中2~3人程です。
    一方、腫れについては、特に大きな骨造成を行った場合に出るケースが多いです。痛み止めと一緒に処方される抗生剤を、1週間飲んでいただきます。腫れのピークは2~4日目くらいで、そのあとは徐々に治っていきます。

  • インプラントは一生もちますか?

    インプラント

    インプラントは、一生もつとは言えません。
    インプラント治療によって、失った歯が再生したという風に考えてください。失う前の天然歯と同じで、きちんとクリーニングをしなければ、また歯周病(インプラント周囲炎)になってインプラント体もろとも抜け落ちてしまいます。

    逆に、毎日しっかりケアして、メインテナンスができていれば、長持ちします。
    何しろ口の中には、もともと歯を失った原因の細菌がたくさんいます。メインテナンスが行き届かないと、再感染を起こしかねません。
    天然歯は、セメント質、歯根膜にガードされていますが、インプラントの場合はインプラント体と歯槽骨のみ。栄養を運んでくれる血管も少なく、炎症に対する抵抗力が低くなります。
    毎日の歯磨きを徹底して行うだけでなく、3ヶ月~6ヶ月に1度程度は、定期検診やプロによるクリーニングを受けることが大切です。

    また、歯ぎしりや食いしばりの癖があるなど、噛む力が強い方は、インプラントが折れてしまう危険性もあります。その場合は、マウスピースを使うなどして予防するようにしましょう。

    さらに、喫煙、糖尿病や、噛み合わせの不具合などもインプラント周囲炎の要因になります。ご自身の健康維持にも気を配っていただく必要があります。

  • サイナスリフトとソケットリフト

    サイナスリフト

    サイナスリフト

    サイナスリフトは、上の奥歯の歯槽骨が薄くなっていて、インプラント体の埋入に十分な骨の高さがない場合に適した手術です。

    上顎の骨の上部にある小鼻の脇には、上顎洞(サイナス)という大きな空洞があります。そのため、元々、上顎の骨は下顎の骨に比べて薄くなっています。しかも上の奥歯を失うと、歯槽骨は吸収されて更に薄くなり、同時に、上顎洞は下に向かって広がっていきます。

    そこで、上顎骨の横から小さな穴を開けて、上顎洞とシュナイダー膜と呼ばれる薄い膜の間に人工骨を入れ、インプラント体を支えられるだけの厚みを作ります。

    ソケットリフト

    ソケットリフト

    ソケットリフトも、サイナスリフトと同様、上顎の奥歯の歯槽骨が薄くなっている方に、インプラント体を埋入するための骨の高さを増やす治療法ですが、サイナスリフトの対象者よりは骨の欠損が少ない方に適応します。
    シュナイダー膜までの骨の高さが4~5ミリ以上ある場合はソケットリフト、4~5ミリ以下の方や、失った歯の数の多い方にはサイナスリフトをおすすめします。

    ソケットリフトでは、上顎洞の少し手前まで骨を削って穴(ソケット)を開け、そこから骨補填材を入れてシュナイダー膜を押し上げます。十分な量の骨補填材を入れたら、インプラント体を埋め込みます。サイナスリフトのように、大きく歯肉を切開する必要がなく、骨補填材を入れる穴とインプラント体の埋入口が同じなので、結果、傷口が小さくて済みます。

     

  • GBR(骨再生誘導療法)

    骨造成手術の基本となるのが、GBR(骨再生誘導療法)と呼ばれる手術法です。人に元々備わる自然治癒力を利用して骨を再生させることで、欠損を治していく方法です。

    GBR

    GBR

    まずは骨の足りない部分に自家骨あるいは人工骨(骨補填材)を充填し、骨形成を阻害する線維芽細胞などの軟組織が入り込まないように、メンブレンという人工膜で覆います。
    膜の材料には、骨芽細胞などを活性化して骨組織を再建する生体活性成分が用いられています。

    骨欠損が少ない場合は、体内で1、2ヶ月で吸収されるタイプのメンブレンを使用しますが、骨欠損が大きく、たくさん造成させる必要がある場合は、6ヶ月間吸収されないメンブレンを使用します。
    個人差はありますが、歯槽骨が再生するには、メンブレンを被せてから3~6か月ほどかかります。骨は常に破壊と再生を繰り返しているため、最初に欠損部分を埋めた骨補填材は、そのうち溶けて、新しい自分の骨に変わっていくのです。

    GBR法で骨を充填するタイミングは、インプラントを埋入する手術の前と、手術と同時に行う場合があります。

  • 足りない骨は造成・再生できる

    インプラント体を埋め込み、安定させるには、骨の厚みが必要です。実際のインプラント体は、直径3~6ミリ、長さが4~21ミリほどあります。それをしっかり支えるには、それぞれプラス2~3ミリ以上の骨が必要になります。
    ところが、歯を失ったまま、長い時間が経過していたり、重い歯周病で歯を失った患者の場合、インプラントを埋め込むだけの骨の量が不足していることが少なくありません。骨が十分にないまま埋入すると、後になってインプラント体が脱落したり、周辺が膿んだりする可能性があります。

    ただし、骨が足りないとインプラントを諦めなければならないかといえば、そうではありません。今やインプラント治療の技術は、骨が少なければ造成するというところに進化しています。

    骨造成・再生

    自分の骨(自家骨)、あるいは人工骨(現在はこちらがメイン)を欠損部分に充填し、骨の量を増やす手術(骨造成手術)によって、インプラント治療は可能です。
    骨造成手術には、残っている骨の状態や、どのように骨を作っていくかのプランによっていくつか選択肢があります。

  • 安全、確実なインプラント治療を叶えるサージカルテンプレート

    サージカルガイド

    最近では、CTスキャンで採取した画像データを基に3Dプリンターで作成したレジン製の型(トレイのようなもの)を、インプラント手術のガイドとして利用するケースも増えています。
    「サージカルテンプレート」と呼ばれる(サージカルガイドとも呼ぶ)型は、インプラントを埋め込む位置、角度、深さなどを想定通りに再現する手助けとなるものです。
    型には、コンピューターで計算されたインプラント体を埋め込むための穴が空けられているので、手術ではそこを正確にドリリング(歯科用ドリルで穴を開ける)すればよく、手術のエラーリスクを大幅に低減できます。
    過去にインプラント手術では、さまざまな原因によって失敗やトラブルが起こっていますが、中には医師の技術力に問題があるケースも多くありました。あらかじめ正しいドリリングの位置が決まっているサージカルテンプレートは、そのような失敗を防ぐ上でも大いに役立つ術法です。
    手術にかかる時間も短くなるため、患者の体への負担も軽減できます。

    フラップレス手術

    サージカルテンプレートシステムを活用し、歯肉粘膜の切開、剥離、縫合などをせずにインプラント体を埋入する手術を「フラップレス手術」と言います。
    通常のインプラント治療では、インプラント体を埋め込むために、歯肉粘膜を切開して顎の骨を露出させます。一方、フラップレス手術では、サージカルテンプレートによって定められた位置に、必要最小限の穴を開け、そこからインプラント体を埋め込みます。傷が小さいので出血が少なく、術後の腫れや痛みもほとんどありません。
    切開や縫合のステップを省ける分、手術自体にかかる時間は短く、1本につき数分程度で終了するケースがほとんどです。外科的手術ということでインプラント治療に不安や恐怖を感じている患者にとって、メリットが非常に多い方法です。
    ただし、フラップレス手術は、インプラント体を埋め込む部分の骨の量が十分にあることが条件です。骨量が足りなければ、歯肉を切って骨を露出させ、直に骨を見ながらドリルを入れる通常のインプラント治療を選択することになります。

  • CAD/CAMシステムの導入で時短&精巧な治療が可能に

    近年、飛躍的に進化しているデジタルテクノロジーは、歯科業界においても急速に普及してきています。インプラント治療においても、CT撮影による歯や骨の精密な画像が、診査・診断から手術、上部構造の作製まで、さまざまなステップで活用されています。

    インプラント治療を安全に行うためには、顎の骨の状態を詳しく把握することが大切です。CTで撮影した3Dデータにより、インプラントの治療シミュレーションを正確に行えるようになりました。個々の骨質、骨量、解剖学的な構造、神経の走行といったさまざまな要素をビジュアルで細かく確認しながら、インプラント体の最適な埋入位置や角度、深さを決定することができます。

    インプラントCT

    また、上部構造の作製においても、今やCAD/CAMシステムが欠かせません。
    従来、「印象採得」と呼ばれる上部構造の型取りは、患者がペースト状の印象材を詰めた歯型をくわえて行っていました。この場合、患者は、印象材が固まるまで歯型をくわえたまま待たなければならず、苦手な方も多くいらっしゃいます。
    一方、歯科用CAD/CAMシステムによる型取りは、ペン型の光学印象機器で口腔内をスキャンする方法です。従来、歯科技工士は、印象材で型取った石膏の模型のみを頼りに人工歯を作製しています。その場合、型取り、模型作製、鋳造というステップを踏む中で精度が低下していくのはやむを得ないことです。

    その点、口腔内のリアルな情報をデータ送信するCAD/CAMシステムは、100分の1ミリ単位の精密さで、患者の口にぴたりとフィットします。上部構造の作製も、3Dプリンターが正確に行います。セラミック、金属など、補綴用の材料のブロック(塊)をデータ通り正確に削っていき、完成させます。

    CAD/CAM

  • インプラント治療の流れ

    インプラント1回法

    インプラント治療は、開始から終了までおおよそ2ヶ月から1年くらいかかります。ただし、個人の体質や手術の種類などによっては、もっと短かったり、それ以上かかることもあります。その間、どのような流れで進んでいくのかをここで紹介しておきましょう。

    1.カウンセリング

    現在の口腔内の問題点、失った歯を補うための選択肢などについて、歯科医師に相談します。
    インプラントを選ぶ場合でも、予算、治療期間、手術の内容などを確認し、ご自身の要望もしっかり歯科医師に伝えましょう。

    2.検査・診断

    インプラント治療が可能かどうか、事前診査を行います。

    • 問診 (既往症、血圧、アレルギーなど)
    • 口腔内の診察 (噛み合わせ・歯周病の状態など)
    • レントゲン検査 (骨や噛み合わせの状態、神経や血管の位置など)
    • CT撮影 (骨の状態、神経や血管の位置を立体的に観察)
    • 内科的診査 (必要に応じて血液検査など)
    • 専用ソフトによる精密検査 (骨密度や細かい神経の位置を分析)

    3.治療計画の立案・説明

    カウンセリングと診査・検査の結果から、基本的な治療計画を立てます。
    インプラントを埋める部位、本数、上部構造やインプラントの材料、手術にかかる時間、治療期間、手術で起こり得るリスク、費用、メインテナンスなど、治療の詳細を十分に理解した上で治療に臨みましょう。

    4.補助手術

    虫歯や歯周病など、インプラント治療の妨げになるような疾患は、事前に治療しておきます。

    5.手術前の治療

    インプラント手術は顎の骨の骨量や骨幅が十分にないと、インプラント体を埋め込めません。そのため、骨量や骨幅が足りない場合は、増骨処理を行う必要があります。
    増骨処置を行った場合は、骨が安定するまで3~6か月ほど期間を置いてから、インプラント手術を行う場合と、骨移植と同時にインプラントの埋入を行う場合があります。

    6.インプラント体の埋入手術(一次手術)

    局所麻酔をして歯肉を切開し、顎の骨を露出させます。骨にドリルで数ミリの穴を開け、インプラント体を埋入します。
    2回法の場合は、インプラント体の頭部にカバーを取り付け、粘膜を戻して縫合します。頭部をカバーするのは、骨結合期間後にアバットメントを連結するネジ穴部を塞がないためです。1回法の場合は、インプラント体にヒーリングキャップを装着し、ヒーリングキャップを露出させた状態で歯肉を縫合します。
    インプラント体の埋入にかかる時間は10分~1.5時間と、埋入する本数や部位によって異なります。

    7.骨結合期間

    骨とインプラント体が結合し、しっかり噛めるようになるまで安定期間をおきます。通常、2~6か月かかります。症例によっては手術をしたその日に、仮の上部構造をセットし、お食事ができることも多々あります。

    8.二次手術

    再度、歯肉を切開し、インプラント体の頭部にはめていたキャップを外してアバットメントを連結させます。傷口を縫合し、1週間程度で抜糸します。

    9.仮歯の製作&装着

    専用の器具をインプラントに装着して型を取り、噛み合わせや顎の動きなどを記録して仮歯を作ります。
    仮歯をある程度の期間、装着して見た目や噛み合わせ、話しやすさ、粘膜の変化、清掃のしやすさなどをチェックして、不具合があれば調整します。

    10.完成した上部構造を入れる

    仮歯でどのような歯を入れるか決定したら、再度、型取りをして、最終的な上部構造を作ります。完成した上部構造を装着して、セメントやネジで固定します。

    11.メインテナンス

    インプラントは、治療後のメインテナンスが非常に大切です。上部構造の装着直後はご自宅でお食事をしてもらい、数週間おきに通院して、噛み合わせや周囲組織の状態、骨吸収などのチェックを行います。その後も、3か月から半年に1回は定期検診を行ってコンディションを確認し、必要があれば処置をしていきます。
    また、インプラントの周りにプラークや歯石が溜まらないように、クリーニングを徹底することも大切です。というのも、インプラントを入れた歯肉が歯周病になって炎症を起こす「インプラント周囲炎」になってしまうと、インプラントが揺らいだり、抜け落ちたりしてしまうことがあるからです。インプラントであっても、天然歯と同じく歯周病になります。長い期間をかけて、ようやく骨と結合したインプラントを失うことになってしまいます。
    これを防ぐために最も大切なのは、日々のセルフケアです。正しいブラッシングを毎日きちんと行うことが何よりも大切です。さらに、歯科衛生士による専門的な清掃器具を使ったクリーニングも定期的に受け、歯周病のリスクファクターを断ちましょう。また、噛み締め、歯ぎしり、食いしばりなどによって、無意識のうちにインプラントにダメージを与えてしまう可能性もあります。そういった癖のある方は、歯を保護するマウスピースを装着することをお勧めします。

  • インプラントの術式

    インプラントの手術には、「1回法」と「2回法」があります。大きな違いは、歯肉を切開する手術を1回行うか、2回行うかという点です。

    1回法

    インプラント1回法

    厳密に言うと1回法には、インプラント体とアバットメントが一体になっているワンピースタイプのインプラントを埋め込む「1ピース」と、インプラント体とアバットメントが別々になっているものを使用する「2ピース」の2種類があります。
    いずれもインプラントを埋める部位の歯肉を切開して骨を露出させ、ドリルで穴を開けてインプラントを埋め込みます。その後、インプラントの頭部は外に出したままで、歯肉を完全には閉じません。この状態で顎の骨とインプラント体が結合するまで待った後、上部構造をアバットメントに装着します。

    1回法の特徴

    • 歯肉切開は1度で良いので、体への負担を軽減できる。
    • 手術が1回で良いので、通院回数が少なく、治療期間も短くなる。
    • インプラントを埋め込む顎の骨がしっかりとあることが条件である。
    • 骨移植や顎の骨を再生する手術が必要だと、感染リスクが高まる。

    2回法

    インプラント2回法

    1回法と同じようにしてインプラント体を歯肉に埋め込み、切開した粘膜を元通りに糸で縫い合わせます。ここまでが1回目の手術になります。
    インプラント体と骨が結合するまで2~6か月の治癒期間を経た後に2回目の手術を行います。再度、歯肉を切開してアバットメントを取り付けた後、粘膜の治癒を待ってから上部構造を装着します。

    2回法の特徴

    • 歯肉切開を2度行う必要があるため、1回法より治療回数が増える。
    • 切開した歯肉を閉じて治癒期間を過ごすため、インプラント体が外れるリスクは低い。
    • 顎の骨を作るケースにおいて感染防止につながる。
  • インプラントと天然歯の違い

    天然歯

    天然歯

    天然歯の歯根の周りには、クッションのような役割を担う歯根膜があります。
    そのため、噛むと歯はわずかに沈み込みます。また、歯根膜には、噛んだときにかかる圧力を感知して、噛む力をコントロールするセンサーも備わっています。

    インプラント

    インプラント

    インプラント体と周りの骨の間には隙間がなく、くっついた状態です。

    骨に直接くっついているインプラントには、こういったクッションやセンサーがないため、噛んだときの力がそのままダイレクトに周囲の歯に伝わります。
    噛む力を感知するセンサーは、ほかに顎の骨の周りの骨膜、噛むための筋肉、顎の関節などにもありますが、歯根膜にあるセンサーに比べて「感度」が劣ります。

    また天然歯の場合、歯肉の内側にある結合組織が、細菌などが容易に侵入できない構造になっています。インプラントでそれは再現できないため、細菌はインプラントと粘膜の間に侵入してしまうリスクがあります。
    そのため、インプラント埋入後は、歯磨きをより丁寧に行う習慣が大切です。

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